作曲者: | 鈴木行一 |
作曲年: | 1996年 |
演奏時間: | |
編成: | |
初演: |
1996年6月9日 森田利明 指揮 ヤマハ吹奏楽団浜松 アクトシティ浜松中ホール ヤマハ吹奏楽団第31回定期演奏会 |
出版社: | |
委嘱者: | |
解説: |
ヤマハ吹奏楽団浜松の1996(平成8)年度委嘱作品。 この世の始まる時、つまり宇宙創成の時、おそらく闇も光もなかっただろう。ビッグバンから10万年ぐらいたって、原子が安定し宇宙が晴れ上がった瞬間、光と闇が同時に生まれたと、何かの本で読んだことがある。つまり光がなければ闇は存在せず、闇と光は表裏一体である。もともと光は透明であるから、闇と思っていた空間に何かの物質が飛び込んだ瞬間、眩いばかりの光彩を放つかもしれない。作曲中ずっとそんな事を考えていた。光と闇と、その周辺の様々なイメージがこの曲を形作っているように思え、このタイトルをつけた。吹奏楽の為の作品「闇の光彩」は3つの曲ならなる。 I. 重低音のppから始まる深く沈潜した無限旋律のイメージ。やがて音域も拡大し、激しいリズムを伴ったオールユニゾンの無限旋律のイメージは狂暴とも言える動きになるが、Flatterzungeの強烈なハーモニーの出現により鎮静する。 II. 前曲の終わりの部分の低いBb音を引きずりながら、様々なモチーフが展開する。宇宙や自然界の諸相、人生の曼荼羅のようなものをイメージした。 III. 曲は瞑想的に始まり、やがてあらゆるものを融解せしめるような強烈な光へ、というイメージを持っている。 (初演時のプログラムノートより) |