作曲者: | 伊藤康英 |
作曲年: | 2002年 |
演奏時間: | 13分 |
編成: | 2Fl. Picc. Ob. Hrn. 2Bn. EbCl. 3BbCl. BbBassCl. 2Alt.Sax. Ten.Sax. Bar.Sax. 4Hrn. 4BbTrp. 3Trb. Euph.Tub. Cb. Hp. Timp. Perc. |
初演: |
2002年3月1日 指揮 航空自衛隊中部航空音楽隊 アクトシティ浜松大ホール(静岡県浜松市) |
出版社: | |
委嘱者: | |
解説: |
中部航空自衛隊創立25周年記念委嘱作品。 浜松での高校時代、あの頃は作曲の勉強をしていて、特にバッハの曲に惚れ込んでいた。バッハのコラールや、それに由来するコラール前奏曲やコラール幻想曲などを、よくピアノで弾いたものだった。それを通じて、私は、バッハの美しい音の構築を学んでいったのだった。 さて、何ヶ月か前、バッハの「O Mensch, bewein' dein' Sunde Gross」というコラール幻想曲(BWV622/《オルガン小曲集》より)を、パーシー・グレインジャーが吹奏楽に編曲したものを演奏した。そのとき、懐かしく高校時代を思い出したのだった。そういえば最近、こんなに美しい音の世界に接してはいなかった。以来、私の頭の中ではずっとこのコラールが鳴り響いている。 中部航空音楽隊は、創立25周年を迎えるという。そういえば中学生か高校生だったころに聴きに行ったおぼえがある。計算するに、それが第1回の演奏会だったかもしれぬ。 その25周年の記念の祝典曲を作曲するという栄誉に浴したわけであるが、しかし、「祝う」ということは、「祈り願う」意にも通ずる。くだんのコラールを全曲引用することで、浜松での思い出を交えつつも、平和を「祈り願う」音楽として、この曲を作曲した。 いみじくもこのコラールのタイトルは謂う。 「おお、人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」。 (初演プログラム/伊藤康英) |