作曲者: | 田村文生 |
作曲年: | 1995年 |
演奏時間: | 17分 |
編成: | |
初演: |
1995年5月27日 森田利明 指揮 ヤマハ吹奏楽団浜松 アクトシティ浜松大ホール ヤマハ吹奏楽団第30回定期演奏会 |
出版社: | ブレーン |
委嘱者: | ヤマハ吹奏楽団浜松 |
解説: |
ヤマハ吹奏楽団浜松の1995(平成7)年度委嘱作品。 1994年の吹奏楽コンクールの課題曲「饗応夫人」に続く作品。「饗応夫人」は太宰治の同名作品を音楽的に描写したという作品だったが、今回も同様にチェーホフの同名の短編作品を題材にとっており、主人公の女性が4人の男と出会った時の心の動きと彼らが去った時の孤独を表したものである。主人公の女性はコントラバスのソロで表されており、バンドから全く孤立した状態で使われることもある。曲は前述のストーリーに沿って4つに分けられている。舞曲風の音楽や木管の柔らかいコラールなど描写的な部分も少なからずあるが、それらの聞きやすい部分と、人間の内面を描いた(と思われる)混沌とした部分が錯綜するあたりのコントラストが不気味。難解ながらも非常に写実的な曲。いわゆる現代音楽の範疇に含まれる曲であるが「饗応夫人」同様作曲者の持つ個性的な世界が繰り広げられている。 なお、この曲は同年のヤマハ吹奏楽団の吹奏楽コンクールの自由曲としても取り上げられた。 |