平吉毅州(Hirayoshi, Takekuni)


(1936 - 1998)

神戸生まれ。東京藝術大学作曲科で長谷川良夫に師事。同大卒業の翌年「管弦楽のためのコンポジション」で第31回日本音楽コンクール第1位入賞。同大大学院修了後、「交響変奏曲」で尾高賞受賞。堅実な語法と骨太な発想によるスケールの大きい展開が個性的な作風を形成している。また彼の作品はテンションの高い現代語法を用いながらも、どこか聴衆の心をひきつける独特な魅力を備えている。それは彼の音楽が常に内面的な心の陰影を映し出していることと、日本的な感情がセンシブルに漂っていることに大いに関係がある。そうした特性は、マリンバと3つの楽器のための「対話」(1968)等の室内楽曲や、「悲歌」(1997)等のピアノ曲にも一貫して表れている。彼が十代の頃から親しんできた合唱や吹奏楽の作品には、平吉の音楽の心優しい側面がいっそうポピュラーな形で表出されている。代表作に上記管弦楽曲やギター協奏曲、5つの管楽器のための「エスキス」など。そして彼の作品数の中で最も多いのは合唱曲で、「もぐらのエレジー」、「空に小鳥がいなくなった日」、「ひとつの朝」、「我が里程標」は多くの人に親しまれ、夢の島に保存されている第5福竜丸を見た印象から平和への願いを歌い上げた男性合唱曲「さすらいの船路」は作曲者に内在する人間的な感情が明らかになっている。さらに、合唱と吹奏楽のためのミュージカル「あいと地球と競売人」といったユニークな作品、非常にポピュラーな「気球に乗ってどこまでも」等も書いている。子どものために書かれた上質な作品も多く、音楽教育に果たした功績は大きい。(参考文献:「日本の作曲20世紀 Ontomo mook」音楽之友社)

吹奏楽作品

作品名作曲年演奏時間出版社
シンフォニックバンドのための《コンポジション》1972
シンフォニック・バンドのための《ラプソディ》0
高校祝典序曲19787分

その他のジャンルの作品

作品名作曲年演奏時間出版社
交響変奏曲

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