林光(Hayashi, Hikaru)


(1931 - 2012)

東京生まれ。尾高尚忠、池内友次郎に師事。10代前半から従姉・林りり子のためのフルート曲を、10代後半で劇団俳優座公演のための音楽をすでに作曲していて、机上の営みとなりがちな出発点から“現場”と関わりつつ作曲を出来たこと、そして劇音楽は林光にとってその後も一貫した重要なジャンルになったことを考えると、これらはきわめて大きな意味をもったであろう。東京藝術大学に入学するも、作品の学外発表に対する大学側の態度や、既成の作曲家の道に疑問を抱いて2年で退学。間宮芳生、外山雄三らと「音楽のあらゆる分野に亘って、日本の国民音楽の発展に役立つ仕事をしていきたい」と表明し「山羊の会」を結成。社会と広く関わりながら音楽活動を展開していく道を選んだ。一方自身の音楽語法を磨きつづけ、多様な書法上の試みを意識的に重ねたり、旋法的な書法、特に沖縄音階を用いたり、アイヌの音組織を活用したものなどがみられる。また、ブレヒトソングから子どもの歌まで、様々な機会(特に劇中の個性的な歌)に作られた、数百曲におよぶ<ソング>のコレクションは、日本語による新しい民衆歌への注目すべき提案である。さらに1975年以降、オペラシアター“こんにゃく座”の芸術監督として「白墨の輪」「セロ弾きのゴーシュ」「十二夜」など多数のオペラの企画・製作・上演を統括している。代表作に交響曲ト調(芸術祭賞)、WINDS、交響曲第三番「八月の正午に太陽は・・・」、合唱曲「原爆小景」、佐藤信のテキストによる連作歌曲「赤電車」など。(参考文献:「日本の作曲20世紀 Ontomo mook」音楽之友社 )

吹奏楽作品

作品名作曲年演奏時間出版社
プロメテウスの火198819分
ユーフォニウムと吹奏楽のための架空オペラ組曲1987
与えよ さらば 与えられん組曲0
雨の曲 吹奏楽と童声合唱のための20105分東京ハッスルコピー

その他のジャンルの作品

作品名作曲年演奏時間出版社
管弦楽のための変奏曲1955音楽之友社

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