武満徹(Takemitsu, Toru)


(1930 - 1996)

東京生まれ。経済的に貧しかったものの、米占領軍のキャンプでアルバイトし、ジャズなどに親しみながら音楽の独習を始め、清瀬保二に作曲を師事。新作曲派協会の同人を経て、1951年グループ「実験工房」結成に参加。また早坂文雄の世話にもなり、早坂を師と仰いだ。1950年のデビュー作「二つのレント」(ピアノ)が著名な音楽評論家山根銀二により「音楽以前である」との酷評を得、また1957年の「弦楽のためのレクイエム」も初演された当初楽壇からは全く評価されなかったが、来日したストラヴィンスキーに「この音楽はじつにきびしい」と絶賛され、またハチャトリアンが「この世の音楽ではない、まるで深海の底のような音楽」と評価したことから一躍脚光をあびる。1966年「オーケストラル・スペース」現代音楽祭を組織。73年以来「今日の音楽」音楽祭を主宰、国際的な活躍を続けた。作風としては初期には武満の敬愛したドビュッシーの影響も垣間見えるものの、日本的な「わび・さび」ともいえる、非常に制限された禁欲的なもの。後期にはそのドビュッシーから受けた影響やメシアンのうちの、官能的な音遣いを前面に出した、豊饒で曖昧な無形式な作風へと移っていった。演奏会用の作品だけでなく、映画音楽、テレビの劇判音楽、歌謡曲等にも優れた作品を多数残し、そのほとんどは「武満徹全集」(小学館)で聴くことができる。どの作品も繊細で美しく、「武満トーン」と言われた独特の響きが聞こえる。また著作にも「遠い呼び声の彼方へ」「時の園丁」など優れたものが多い。武満に厳密な意味で吹奏楽編成の作品はない。東京佼成ウィンド・オーケストラがそのような作品をお願いし、本人も書くと言っていたが、1996年2月 20日、闘病生活の末逝った。

その他のジャンルの作品

作品名作曲年演奏時間出版社
ガーデン・レイン0
シグナルズ・フロム・ヘヴン19873分日本ショット
室内協奏曲 ~13管楽器のための~19555分日本ショット

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