安部幸明(Abe, Komei)


(1911 - 2006)

1911年9月1日広島市に生まれる。1933年東京音楽学校(現東京芸大)チェロ専攻卒業。1936年研究科作曲部修了(K.プリングスハイムに師事)。同時期 J. ローゼンストツクに指揮を習う。1936年、弦楽四重奏曲No.1 を日本現代作曲連盟(現在の日本現代音楽協会の前身)の主宰の会で発表と同時に入会、作曲活動を始めた。1944〜1945年の間海軍水平として召集された。この間従って作品は無い。1949年、平尾貴四男、高田三郎らと「地人会」を結成5回の発表会を行った。1960〜1965年、日本現代音楽協会委員長。1960年10月ソ連作曲同盟より交流の目的で招待を受け訪ソ。つづいて社会主義国各国を歴訪した。1953年エリザベト音楽短期大学教授、1954年京都市立音楽短期大学教授に転じ、この大学が後に市立芸術大学音楽学部となり安部は初代学部長を務めた。65 歳の定年で退任。作品は器楽曲が多く、特に3、4楽章で成立する古典的なソナタ様式の曲を作るのを好み、作風は簡潔で明快なものである。弦楽を好むためか、弦楽四重奏曲が15 と作品中最も多く、日本で一つのジャンルにこれほどこだわったのは彼以外にはいない。第1交響曲(1957)は毎日音楽文部省芸術選奨を受け、第2交響曲は1960年芸術祭奨励賞を受けた。自身「大体僕は速いスピードの曲が好きなのです。そしてゆっくりしたところが一番苦手なのです。打明け話をしますと、まず速い楽章を一番初めに書いて、アダージョは一番最後に書くんです。アダージョを書くのに七転八倒します(笑)」(「作曲家との対話」)と語り、アレグロを書くのを好む。歌曲の少ないのはそのせいかも知れないが、時間的な自由を得てからは、このジャンルにも機会あるごとに佳品を書いている。調性の無い音楽は好まない。その他管楽器の作品として「クラリネット五重奏曲」、「アルトサキソフォーンとピアノのための嬉遊曲」、2曲の「フルートとピアノのためのソナタ」等。教え子に作曲家小山清茂、演奏家北川暁子らがいる。 2006年12月28日午前9時、心不全のため東京都練馬区の老人ホームで死去。95歳。

吹奏楽作品

作品名作曲年演奏時間出版社
あふれる元気19665分カワイ出版
今日も元気で0

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