夏田鐘甲(Natsuda, Shoko)


(1916 - )

韓国中部にある、風光明媚な古都・江稜に生まれる。この地方は民俗芸能が盛んで年中行事として行われる農楽や古来の伝統芸能に接しながら育った。また平壌の師範学校に進み、そこで合奏団や合唱団に入団、研究科目には音楽を選んだことが音楽の道に進む動機となった。昭和17年帝国音楽学校本科卒。諸井三郎、池内友次郎に師事。昭和26年音楽コンクール管弦楽曲部門第2位入賞。翌27年、同部門に「管弦楽のための三楽章」が第1位入賞。昭和40年TBS賞に「管弦楽のための伽藍」が特賞で入賞。昭和42年「21世紀の日本」管弦楽懸賞に「管弦楽のための三楽章“昌慶”」が最優秀賞(総理大臣賞)を受賞した。現在日本現代音楽協会名誉会員。作風は、幼少の頃より慣れ親しんだ韓国の伝統音楽と西洋音楽を融合させたもので、さらに1960年代以降は、アジアの伝統音楽の研究から得られた素材やその精神を応用し、西洋と東洋の融合による新しい音楽の創造を目指して活動している。具体的には、上記の「伽藍」において声明の旋律と12音セリーの技法を融合させ、また「昌慶」は12音のセリーによって書かれているが雅楽の管絃や舞楽のリズムを応用、さらに6人の打楽器奏者のための組曲「シムハーナンダナ」では非西欧的なアジア伝統音楽のリズム型のみを用い、それぞれ大きな成果をあげている。その他の主要作品に「弦楽四重奏のための小品」(1965)、「ピアノのための即興曲」(1970)、「ヴァイオリンとピアノのためのバラード」(1974)、打楽器アンサンブルのための「序・破・急」(1981)など。(参考文献:秋山邦晴著「日本の作曲家たち」、‘83音楽の友・音楽芸術別冊「日本の作曲家」)

吹奏楽作品

作品名作曲年演奏時間出版社
吹奏楽のためのファンタジー0
栄光0

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